生命に関する諸問題Ⅱ
開設大学 | 愛知学院大学 |
---|---|
科目コード | 241004 |
担当教員 | 岡島 秀隆(教養部教授) 山端 信祐(教養部非常勤講師) 長谷川 知正(教養部非常勤講師) 西田 憲一郎(教養部非常勤講師) |
学年配当 | 2年, 3年, 4年 |
単位数 | 2単位 |
曜日 | 木曜 |
開講期間 | 秋学期 |
実施形式 | 対面 |
開講時間割1 | 3限 13:30 ~ 15:00 |
教室 | 日進キャンパス |
募集定員 | 若干名 |
募集時期 | 4月, 9月 |
開講期間 | 9/14~1/17 |
講義概要 | 【授業の概要】 「生と死」というテーマは古来からいろいろな立場や視点から探求されてきました。 現代では、脳死や尊厳死、再生医療、出生前診断など、生と死をめぐる様々な社会問題が起きています。 「生命に関する諸問題Ⅱ」では、生と死をめぐる問題について、仏教学・宗教哲学・法律学・心理学などの人文・社会科学系分野の多様な観点から考察し、生きるということおよび死ぬということの意味を追求していきます。 【授業の到達目標】 1.人間とその生死について、多面的により深く考えられるようになること。 2.自分なりの生命観・人生観・死生観を築き、積極的かつ充実した生き方を発見すること。 【授業計画】 1.ガイダンス (山端・岡島・梅田・西田) 授業のスケジュールや評価方法、各担当教員が扱うテーマなどについて説明をします。 2.世界宗教における生と死(山端) 世界宗教の中からキリスト教と仏教を取り上げ、その生と死をどのように考えているかを、それぞれ宗教の思想から考察していきます。 3.民族宗教における生と死(山端) 民族宗教の中から神道を取り上げ、生と死をどのように考えていたかを、神道の思想や観念などから考察していきます。 4.民俗における生と死(山端) 生者はどのよに死者を祭祀してきたか、また生者と死者との交渉など、死者祭祀の実態と死者を祀る墓の伝承など、事例を用いながら考察をしていきます。 5.宗教・哲学における生と死1 (岡島) 「哲学は死をどのように考えてきたか―ソクラテス・ハイデガー・ジャンケレヴィッチなど」 西洋哲学の賢者たちが死をどのように捉えて来たかを考察します。 6.宗教・哲学における生と死2 (岡島) 「絵本の中の死生観―谷川俊太郎・佐野洋子など」 絵本界の巨匠たちが死をどのように伝えたかったかを考察します。 7.宗教・哲学における生と死3(岡島) 「現代人の死生観-ロボット・サイボーグ・アンドロイドなど」 現代科学技術の進歩と現代人の死生観の変移を考察します。 8.法律学における生と死1(梅田) 人の生命は法律(特に刑法)によって保護すべき最も重要な利益(=法益)です。人の出生(始期)と死亡(終期)については様々な考え方があり、特に臓器移植を合法とする上で脳死を人の死(終期)と認めるかが問題です。それらに関連する諸問題を考えます。 9.法律学における生と死2(梅田) 死期の迫った患者の苦痛を除去するための「安楽死」や生命維持治療をせず人間として尊厳ある死を迎えさせる「尊厳死」は、患者の死期を早めることによって殺人罪あるいは同意殺人罪に問われる可能性があります。実際の裁判事例等により問題点を考えます。 10.法律学における生と死3(梅田) 人の生命を奪う犯罪行為である殺人罪が成立するためにはどのような要件が必要になるのでしょうか。そもそも犯罪とは何かという根本問題にも触れながら刑法の基本的な考え方について学びます。 11.法律学における生と死4(梅田) 犯罪に対する法的制裁としての刑罰の中で最も重いものがその犯罪行為をした者の生命を奪う死刑です。死刑制度に関わる諸問題について、世界の動向も踏まえながら、様々な角度から考えます。 12.心理学における生と死1 (西田) 『発達心理学から考えた死とは』死にたいする態度の発達として、各発達段階に分けて死に対する態度の変化について説明します。 13.心理学における生と死2(西田) 『死の受容』人が死に至る過程は、個人によって大きく異なる。それぞれの死に至る過程をどのように受容するかという問題を説明します。 14.心理学における生と死3(西田) 『死への恐怖や不安を乗り越えてよりよく生きるために』人が死の恐怖や不安から逃れるための手立てとして、加齢に伴う様々な喪失に上手に対処する考えとしてSOC理論を提案する。 15.授業のまとめ (山端・岡島・梅田・西田) 4名の教員が、それぞれ講義したテーマに基づいて、改めて講義します。受講生の皆さんは、第14回目までの講義内容を思い出しつつ、自分自身の「死生観」「生命観」などについてまとめてもらいます。 |
テキスト・参考文献 | テキスト:特に指定するものはありません。各担当者が随時提示します。 参考文献:各担当者が随時紹介します。 |
試験・評価方法 | 各教員が、毎回の講義中または担当講義終了時にレポートを課します。4名の教員それぞれがレポートを評価し、それらの合計または平均点を最終評価とします。 各教員の講義は3~4回と短いため、欠席すると内容を理解することが難しくなります。また、4名の教員の講義を全て受講することによってはじめて、多面的に生と死について考える機会となりますから、毎回出席してください。 |
別途必要な経費 | 特になし |
その他特記事項 | 春学期開講の「生命に関する諸問題Ⅰ」も合わせて受講することを推奨します。 欠席をするやむを得ない事情がある場合には、その事情が説明できる資料を持って、各教員に申し出てください。 講義中の私語や、許可なくスマートフォン・携帯電話を操作することは厳に禁止します。 |
科目名(英語) | Current Issues in Life Science Ⅱ |
使用言語 |