環境工学
開設大学 | 愛知工業大学 |
---|---|
科目コード | 241308 |
担当教員 | 城戸由能 |
学年配当 | 2年, 3年, 4年 |
単位数 | 2単位 |
曜日 | 月曜日 |
開講期間 | 後期 |
実施形式 | 対面・オンライン併用 |
開講時間割1 | 2限 10:40 ~ 12:10 |
教室 | 7-206 |
履修条件 | 特になし |
募集定員 | 若干名 |
募集時期 | 9月 |
開講期間 | 9/25~2/3 |
講義概要 | 【概要】 地域環境から地球環境までの多様な環境問題の構造とその対策手法の理解を図るため,(a)問題の発生構造,特に発生源から伝播過程,その影響を受ける受容体,問題が明確化する発現構造,(b)現象解明のため観測やデータの収集・解析手法,(c)自然現象および人工的プロセスと,その評価手法や管理手法について講述する.特に,身近な水環境・廃棄物問題を対象として,問題の発見・課題の設定,データ収集と解析手法の選択,評価基準の作成および評価基準の選定,対策の立案と評価の一連の流れについて学修する.(学習時間:23.5時間) この科目とカリキュラム・ポリシーに示す学習・教育目標との関係: (1) 社会奉仕と国際貢献を思考する技術者の育成 (2) 技術者としての責任・倫理観の育成 (3)実践的応用能力を目指した土木専門知識と技術の育成【30%】 (4)環境・生態系・情報技術等ソフト面の知識と技術の育成【30%】 (5)柔軟な発想と想像力に基づく問題発見・解決能力の育成【20%】 (6)技術者としての自主性と継続学習能力の育成【20%】. (7) 技術者としての自主性と継続学習能力の育成 学習.・教育目標の達成度評価法:講義および演習における回答内容,および中間・定期試験答案評価に基づく本講義の評価点を目標(3),(4),(5)の達成度評価とする.また,設定課題についてのレポートの評価により目標(6)の達成度評価とする. 【学習到達目標】 (1)環境工学の基礎として,人間と環境との関連性,環境の有限性,地域環境問題と地球環境問題についての理解を深める. (2)身近な水環境問題と上下水道等の環境制御システムの役割における数学的・物理学的なモデル解析の技法を学ぶ. (3)環境への負荷となる生活排水や廃棄物を対象とすることで,自らの生活との関わりについて考える. (4)環境管理のための法制度および評価手法を,実社会での適用事例をもとに学び,技術者として必要となる知識およびその活用方法を学修する. 【計画】 01. 環境工学の基礎(1):環境とは何か?環境と人間の関係性,環境の有限性に関する基礎概念について講述する. 02. 環境工学の基礎(2):地域環境問題から地球環境問題,高度経済成長期以降の公害時代から地球規模気候変動現象までを歴史的に整理しながら今後の問題点について講述する. ◇上記2回分の予習:参考図書等をもとに四大公害問題,地球環境問題について調べる(各2時間),復習:講義資料内容の復習(各2時間) 03. 廃棄物問題(1):廃棄物の定義,廃棄物処理・処分に関わる歴史的経緯および近年の状況について講述する. 04. 廃棄物問題(2):廃棄物の収集・処理のための基本的な過程および処理・処分技術について講述する. 05. 廃棄物問題(3):廃棄物の最終処分場の施工形態および管理技術について講述する. 06. 廃棄物問題(4):循環型社会形成の中核となる廃棄物再資源化について講述する. ◇上記4回分の予習:参考図書等をもとに廃棄物収集・処理・処分技術について調べる(各2時間),復習:講義資料内容の復習(各2時間) 07. 中間試験:環境工学基礎および廃棄物問題を試験範囲とする(実施時期は変更する場合がある). 08. 中間試験の返却・解答解説(試験実施時期に対応して実施). ◇復習:中間試験問題に関する答案再確認(2時間) 引き続き水環境管理(1):水質汚染の評価指標の内容およびその関係性等について講述する. 09. 水環境管理(2):水質汚染の評価指標の内容およびその関係性等について講述する. 10. 水環境管理(3):水利用および水環境保全のための水処理システム,および地域水環境を解析・評価するための水および物質の流れを解析する手法について講述する. 11. 水環境管理(4):非特定汚染源の特徴および雨天時の汚濁負荷流出過程の原理および解析手法について講述する. ◇上記4回分の予習:配布講義資料の内容確認(各2時間),復習:講義時の板書や説明内容の再確認(各2時間) 12. 環境管理の手法(1):さまざまな環境質を測る指標とそのモニタリング技法・評価技法について講述する. 13. 環境管理の手法(2):環境を管理・制御するための規制的な手法,経済的手法,教育的手法の特徴・適応性について講述する. ◇上記2回分の予習:配布講義資料の内容確認と疑問点を探し出す(各2時間),復習:講義時の板書や説明内容の再確認(各2時間) 14. 定期試験(実施時期を変更する場合がある):水環境管理および環境管理手法を試験範囲とする. 15. 定期試験の解答解説(試験実施時期の変更の場合,解答解説資料を掲示).環境管理の手法(3):ISO14000s環境管理システム(EMS)の講述 ◇上記1回分の予習:配布講義資料の内容確認と疑問点を探し出す(各2時間),復習:定期試験問題に関する答案と内容の再確認(各2時間) |
テキスト・参考文献 | 【教科書】 特に教科書は指定しない.講義プリントを配布する. 【参考書】 1)環境保全工学,浮田正夫他編著,技報堂出版,3,240-. 2)河川汚濁のモデル解析,國松孝男他編著,技報堂出版,4,320-. 3)地球環境キーワード事典,地球環境研究会,中央法規,1,500-. |
試験・評価方法 | 講義時間内の小テスト・レポート・試験により総合的に評価する.小テストおよびレポート30%,試験70%の配分とする. 20%以上,レポート未提出,試験不受験は失格:Qの対象となる. 試験実施後の講義時間で試験答案の解答解説を実施,あるいは解答例を掲示する. |
別途必要な経費 | 特になし |
その他特記事項 | 【方法と特徴】 講義プリントは文章解説編と図表編で構成され,それぞれを講義室の左右のスクリーンに並行してPC投影しながら講述を行い,できるだけ多くの図表・写真等を用いて講義内容がイメージとして残りやすくなるよう工夫する.また,適宜演習・小テストを実施し,学生の理解度を確認した上で,必要に応じて追加・補足資料を作成・配布する.レポートでは情報の収集・整理・考察のみならず,与えられた数値データ等を解析する課題を与えるなど,講義で示した解析手法や評価技法の適用を学修する. 【教員からのメッセージ】 環境問題は見えるモノと見えないモノ(Visible & Invisible),定義しやすいモノと定義しにくいモノ(Well-defined & Ill-defined),制御可能なモノと制御不可能なモノ(Controllable & Uncontrollable),といった側面をもつ.そのため,複数の仮定・条件に基づいて観測や定式化・モデル化が行われるので,得られたデータや解析結果で表現できない物事について常に気をつける姿勢を学んでほしい.本講義を通して,過去に発生した公害問題等の理解とともに,現在および将来的に発生するであろう環境問題を気遣う「情報感知アンテナ」を身につけることが望まれる. なお,本科目の連絡事項はL-Cam等にて実施する。注意して見逃さないこと。履修生同士で情報交換することを推奨する。 |
科目名(英語) | Environmental Engineering |
使用言語 |