現代物理学1
開設大学 | 大同大学 |
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科目コード | 242611 |
担当教員 | 斉田 浩見(教養部教授) |
学年配当 | 2年, 3年, 4年 |
単位数 | 2単位 |
曜日 | 木曜 |
開講期間 | 前期 |
実施形式 | 対面 |
開講時間割1 | 5限 16:20 ~ 17:50 |
教室 | 未定 |
募集定員 | 5 |
募集時期 | 4月 |
開講期間 | 4/8~7/26 |
講義概要 | アインシュタインの相対性理論の基礎的な講義です。 19世紀までの物理学を支えた理論はニュートン力学です(大同大学では力学1・2・3でその一部を扱っています)。しかし、19世紀の終わりから20世紀初頭にかけて、ニュートン力学は厳密には正しくないことが、様々な実験によって明らかにされました。20世紀以降の科学技術で達成可能な精密な実験結果を説明し、自然現象の詳細を理解するために、人類は新たな理論を作らなければならなくなったのです。 20世紀以降に確立された物理学(いわゆる現代物理学)は、大きく分けて2つの理論によって支えられています。「相対性理論」と「量子力学」です。現代物理学で得られている成果(電子顕微鏡、超伝導半導体、発光ダイオード、レーザービーム、人工衛星を使った精密なカーナビ、星の輝きの原因の説明、ビックバン宇宙論、核兵器などなど)は、この2つの理論が正しいと信じた上で導かれたものです。 現代物理1では「相対性理論」を取り上げます。相対性理論は、「特殊」相対論と「一般」相対論の2つに大別されますが、特殊相対論を主に扱います。特殊相対論は「光速(30万km/s)はどの観測者から見ても不変である」ということに矛盾しないようにニュートン力学を拡張した理論です。その帰結として、「世の中の最高速は光速である」「人によって時間の進み方が変わる」「人によって長さが変わる」「タイムマシーンは禁止される」「質量はエネルギーに変化する」などの、直感的には不思議な現象を理解することができます。この授業では、この5つを理解することを目指します。 また、一般相対論にも触れる予定です。一般相対論は、特殊相対論を拡張して重力も扱えるようにした理論で、この宇宙を現代物理学的に理解する上では欠かせない理論です。一般相対論を正確に理解するには微分幾何学という高度な数学のテクニックをマスターしなければなりませんが、その数学は使わずに、可能な限り大雑把にビックバン宇宙論とブラックホールについて物理的なイメージだけ説明(紹介)することを試みます。 なお、講義担当の斉田は、相対性理論とそれを応用した宇宙物理学が専門の研究者です。授業中でも授業以外でも、物理学に関する質問や疑問を投げかけて下さい。現役第一線で研究をしている者として答ます。 [1] 導入:光、重力そして宇宙 ― ニュートン理論の有効範囲と限界 ― [2] 特殊相対論の原理1:ガリレイの相対性原理 [3] 特殊相対論の原理2:光速不変の原理 [4] 特殊相対論の時空1:「距離」の概念の重要性 [5] 特殊相対論の時空2:ミンコフスキー時空 [6] 特殊相対論の帰結1:時間の遅れ、ローレンツ収縮 [7] 特殊相対論の帰結2:ローレンツ変換 [8] 特殊相対論の帰結3:速度合成則 ― 光速は超えられない ― [9] 特殊相対論の帰結4:因果律とタイムマシーンの禁止 [10]特殊相対論の帰結5:質量とエネルギー [11]特殊相対論の限界 [12]等価原理 [13]一般相対論の原理と重力 [14]一般相対論の帰結と限界1:ブラックホール時空と中心特異点 [15]一般相対論の帰結と限界2:ビックバン宇宙論と初期特異点 |
テキスト・参考文献 | 「時空図による特殊相対性理論」、斉田浩見、森北出版 「相対論入門」上・下、バーナード シュッツ 著(江里口 良治、二間瀬 敏史 訳)、丸善 |
試験・評価方法 | 自由科目(卒業に必要な単位に無関係な科目)なので、興味を持って参加すればOKです。 予習や復習の指定はありません。 |