日中関係論
開設大学 | 愛知大学 |
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科目コード | 240814 |
担当教員 | 砂山 幸雄 |
学年配当 | 2年, 3年, 4年 |
単位数 | 2単位 |
曜日 | 火曜 |
開講期間 | 春学期 |
実施形式 | 対面 |
開講時間割1 | 4限 14:45 ~ 16:15 |
教室 | 名古屋キャンパス |
募集時期 | 4月 |
開講期間 | 4/8~7/23 |
講義概要 | 1972年の日中国交正常化から半世紀が経過した。この間、日本と中国との間のさまざまなレベル、領域における交流は劇的に増大したが、他方では尖閣諸島(中国名:釣魚島)をめぐる問題や首相の靖国神社参拝に象徴される歴史認識問題など、さまざまな問題が発生し、国民の相手国に対するイメージも大きく低下してしまった。これは国交正常化以後、20年ほど続いた友好の時代とは大きな違いでる。 しかし、日中双方にとって日中関係は依然としてきわめて重要な二国間関係であることに変わりはない。加えて、今や両国は世界第2位と第3位の経済大国となった。日中関係の今後のあり方は、両国だけでなく東アジア、さらに世界全体の平和と発展にとっても大きな影響をあたえることは間違いない。 この講義では、1972年に実現した「日中国交正常化」のプロセスを検証してから、日中関係の現状と今日直面している諸問題(領土問題、歴史認識問題、経済関係問題など)について考察する。履修者のなかには学習背景が異なる留学生が含まれることを考慮し、両国間の認識ギャップについてともに考える機会を提供したい。日中関係が良好でない根本原因として、両国民ともに日中関係の現実に対する正確な理解を欠いたままマスコミの流す一方的な情報を無批判に受け入れてしまうことが大きく影響していると考えられる。現実を正しく知ることは、問題解決のための大切な手がかりとなる。なお、この授業は日本理解・発信力育成をめざす「さくら21」科目の一つである。 【以下、講義スケジュール(予定)】 1. イントロダクション-日中関係の現状 2. 歴史的背景(1)―アジアの近代のなかの日本と中国 3. 歴史的背景(2)―日本の侵略と中国 4. 歴史的背景(3)―日中戦争と戦後処理 5. 歴史的背景(4)-中華人民共和国の成立とその後 6. 日中国交正常化(1)―国交正常化まで 7. 日中国交正常化(2)―田中訪中と「日中共同声明」 8. 日中国交正常化(3)?日中平和友好条約と「日中友好」の時代 9. 日中友好時代の終焉 10. 日中関係の現状と問題(1)―歴史認識をめぐる問題 11. 日中関係の現状と問題(2)―歴史認識をめぐる問題(続) 12. 日中関係の現状と問題(3)―領土・領海をめぐる問題 13. 日中関係の現状と問題(4)―領土・領海をめぐる問題(続) 14. 日中関係の現状と問題(5)―国家戦略をめぐる問題 15. まとめー世界の中の日中関係 |
テキスト・参考文献 | テキストは用いない。授業中にプリントを配布する。 参考図書は、基本的なものに①②がある。一般向けに書かれてはいるが、やや専門性が高いのは③④、アメリカの高名な東アジア研究者の書いた日中関係の通史が⑤である。⑥は「歴史認識問題」を考える上では必読の書である。 ①国分良成・添谷芳秀・高原明生『日中関係史』有斐閣、2013年 ②毛里和子『日中漂流』岩波新書[新赤版1658],2016年 ③服部龍二『日中国交正常化―田中角栄、大平正芳、官僚たちの挑戦』中公新書[2110]、2011年 ④梶谷懐『日本と中国経済―相互交流と衝突の100年』ちくま新書、2016年 ⑤エズラ・F・ヴォーゲル(益尾知佐子訳)『日中関係史』日本経済新聞出版社、2019年 ⑥波多野澄雄『日本の歴史問題 改題新版』中公新書、2022年。 |
試験・評価方法 | ・評価方法:リアクションペーパーなどによる授業参加度(受講回数10回未満のものは評価対象としない)40%、定期試験60%の加重で総合評価する。 ・評価基準:授業で取り上げた日中関係の基本的事項に関する「理解度」を成績評価の基準とする。 |
別途必要な経費 | |
その他特記事項 | 高校時代に使った「日本史」「世界史」(留学生はそれぞれの国の「国史」や「世界史」)の教科書を捨てないで、参考にしてください。 【その他】 3月下旬公開予定の2024年度シラバスを必ず確認すること。 http://a-syllabus.aichi-u.ac.jp/ext_syllabus/ |
科目名(英語) | Japan-China Relations |
使用言語 |