文化に見る歴史
開設大学 | 名古屋市立大学 |
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科目コード | 240714 |
担当教員 | 川戸 貴史(人文社会学部教授) |
学年配当 | 1年, 2年, 3年, 4年 |
単位数 | 2単位 |
曜日 | 金曜日 |
開講期間 | 前期 |
実施形式 | 対面 |
開講時間割1 | 4限 14:40 ~ 16:10 |
教室 | 滝子キャンパス2号館402教室 |
募集定員 | 5 |
募集時期 | 4月 |
開講期間 | |
講義概要 | 歴史学における基本的な思考法を紹介するという視点から、主に社会経済をめぐる人々の動向や思考に注目しながら、日本文化の歴史について講義を行う。 歴史学は単に過去の事件を記憶(暗記)するだけに終始するのではなく、過去における人々の様々な活動から当時における社会構造を解明するものである。また、単に過去を考察するに終わるわけではなく、さらにはそこから現代社会が抱える諸問題について比較検討を行う論点を提示し、実際に議論をすることになる。講義を通じて、上記のような歴史学のエッセンスを味わってもらいたい。 また、貨幣は古今東西を問わず人間が生活する上で欠かせないモノである。そこで本講義では、そもそも社会にとって貨幣とは何のために存在するのか、過去の人々は貨幣やそれにまつわる経済活動についてどのような思考をしていたのかについて検討することによって、歴史を通じて多様な文化のあり方を見ていきたい。 1. 歴史学とはなにか、貨幣とはなにか・なぜ必要なのか:オリエンテーションとして 2. 日本の貨幣の誕生 有史以前と富本銭 3. 律令国家と貨幣発行の背景 4. 東アジア交易と日本の貨幣経済:貨幣は「国家」のものか 5. 12~13世紀の渡来銭流入とその要因:経済・文化それぞれの背景について 6. 貨幣経済と中世の土地所有権概念:徳政令と「ものの戻り」 7. 銭を埋める、銭を投げる 8.「有徳人」と富の概念:「大福長者」を手がかりとして 9. 信用経済と贈与にみる中世人の経済観念 10. 社会秩序の動揺と貨幣流通秩序:戦国期「国家」と貨幣流通秩序 11. 16世紀のアジアと日本貨幣:「階層化」と多元化する貨幣 12. 貨幣からみた石高制の成立 13. グローバル社会からみた近世貨幣の確立:「鎖国」と三貨制度の成立過程 14. 藩札・私札の世界:なぜ通用したのか 15. グローバル経済と貨幣:メキシコ銀、マリア・テレジア銀貨、そしてこれからの貨幣 |
テキスト・参考文献 | 教科書は指定しない。 ・笠松宏至『徳政令』(講談社学術文庫、2022年) ・大田由紀夫『銭躍る東シナ海』(講談社選書メチエ、2021年) ・川戸貴史『戦国大名の経済学』(講談社現代新書、2020年) ・黒田明伸『貨幣システムの世界史』(岩波現代文庫、2020年) ・高木久史『撰銭とビタ一文の戦国史』(平凡社、2018年) ・高木久史『通貨の日本史』(中公新書、2016年) ・桜井英治『贈与の歴史学』(中公新書、2011年) ・カール・ポランニー(玉野井芳郎ほか訳)『経済の文明史』(ちくま学芸文庫、2003年) その他は講義中に適宜紹介する。 |
試験・評価方法 | |
別途必要な経費 | |
その他特記事項 | 【履修定員 100名】 |
科目名(英語) | |
使用言語 |