日本の歴史(日本社会史)
開設大学 | 名古屋市立大学 |
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科目コード | 240752 |
担当教員 | 川戸 貴史(人文社会学部教授) |
学年配当 | 2年, 3年, 4年 |
単位数 | 2単位 |
曜日 | 金曜日 |
開講期間 | 前期 |
実施形式 | 対面 |
開講時間割1 | 2限 10:40 ~ 12:10 |
教室 | 滝子キャンパス2号館405教室 |
募集定員 | 5 |
募集時期 | 4月 |
開講期間 | |
講義概要 | 古代から近世初頭を主な対象として、日本社会における特質に注目して詳説を行う。 本講義は、歴史学的思考について学ぶための試みとする。そのため、本講義は単に政治権力の変遷や時間の変化を年表でたどるような内容ではなく、現代における日本社会が成り立つ過程において重要な要素と思われる歴史的事例を取り上げて、その歴史的背景や時代状況などの歴史学的分析に基づいて詳説する。このことによって、日本社会の特質をより明確に理解できるようになることを目指してもらいたい。 本講義の内容は「日本史」ではあるが、日本列島の動向のみを追い求めるのではなく、列島と周囲を取り巻く諸地域(海域アジア)との相互交流についても重視したい。当然ながら、日本列島の歴史はその内部でのみ完結していたわけではなく、また、「日本」の空間的範囲は時代によって変遷したことも重視しなければならないからである。 なお、本講義は歴史学を専門的に学ぶための入口としての性格も併せ持っている。そのため、歴史学研究に欠かせない史料(資料)の蒐集および分析方法の修得や、先行研究の探索や読解力向上に資するべく初歩的な解説を随時行いながら講義を進めることとする。ただしこれら史料の読解力は求めない。 1. 歴史学の効用と日本史の射程 2. いつから「日本」なのか:「日本」国号の成立過程 3. 武士とはどんな人々だったか:「在地領主」か「軍事貴族」か 4. 新しい荘園制論:寄進地系荘園論から立荘論へ 5. 荘園制社会と政治権力:摂関政治・院政を支える荘園制 6. 前近代社会のなかの女性:女院・女房・女官の活動やその思考 7. 古代中世社会におけるジェンダー:女性をめぐる法・社会通念・日常生活 8. 中世の朝廷・幕府と寺社:「二つの国家論」と「権門体制論」 9. 中世日本と海域アジア:日本列島を取り巻く諸地域との交流 10. 渡来銭流通と中世経済:貨幣がもたらす社会変容 11. 中世的地域社会の形成:村落・生業・物流の様相 12. 気候変動論から中世社会をみる:気候がもたらす社会への影響をどう見積もるか 13. 分裂する日本列島:「地域国家」としての戦国大名論と自治社会論 14.「長い16世紀」から「17世紀の危機」へ:倭寇、南蛮貿易、そして「鎖国」 15. 近代化への展望:まとめにかえて |
テキスト・参考文献 | テキストは指定しない。参考文献は下記の通り。 ・岩城卓二ほか編『論点・日本史学』(ミネルヴァ書房、2022年) ・中島圭一編『日本の中世貨幣と東アジア』(勉誠出版、2022年) ・秋山哲雄・田中大喜・野口華世編『増補改訂版日本中世史入門―論文を書こう』(勉誠出版、2021年) ・伊藤俊一『荘園―墾田永年私財法から応仁の乱まで―』(中公新書、2021年) ・佛教史学会編『仏教史研究ハンドブック』(法蔵館、2017年) ・鈴木靖民・金子修一・田中史生・李成市編『日本古代交流史入門』(勉誠出版、2017年) ・村井章介編集代表『日明関係史研究入門―アジアのなかの遣明船』(勉誠出版、2015年) ・村井章介『世界史のなかの戦国日本』(ちくま学芸文庫、2013年) ・『岩波講座日本歴史』全22巻(岩波書店、2013~15年)。 ・その他は適宜講義中にて紹介する。 |
試験・評価方法 | 期末レポート(80%)、平常点(20%)で評価する。 |
別途必要な経費 | なし |
その他特記事項 | なし |
科目名(英語) | |
使用言語 |