企業論
開設大学 | 名古屋市立大学 |
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科目コード | 240741 |
担当教員 | 鵜飼 宏成(経済学部教授) |
学年配当 | 1年, 2年, 3年, 4年 |
単位数 | 2単位 |
曜日 | 火曜日 |
開講期間 | 後期 |
実施形式 | 対面 |
開講時間割1 | 1限 09:00 ~ 10:30 |
教室 | 滝子キャンパス3号館201教室 |
募集定員 | 5 |
募集時期 | 4月, 9月 |
開講期間 | |
講義概要 | 【授業の目的・目標】 「経済的な発展を生み出すイノベーション(注:革新)の担い手となるアントレプレナー(注:起業家)は、決して特別な人間ではありませんし、アントレプレナーシップ(注:起業家活動)も先天的な特別の能力 が無ければ発揮できないというものではありません。新事業を展開する経営者、技術開発や商品開発のプルジェクトリーダー、何代も続く老舗で変革を試みる後継者、地域の活性化に取り組む公的機関やNPO(非営利団体)のリーダー、創業を志す学生など、多くの人々がアントレプレナーシップを発揮しています。」(『1からのアントレプレナーシップ』の序文より) 本講義は、「アントレプレナーシップとは気質ではなく行動であり、その基礎となるのは勘ではなく原理であり方法である」(同上)との前提にたち、アクティブ・ラーニング(特にPBL:Project Based Learning)を通じ、アントレプレナーシップ概念の広がりを理解しながら経営学の視点から基礎的な知識を修得しつつ、アントレプレナーのマインドセットとスキルセットを体験することを目的とする。 【授業概要】 「もし自分自身がアントレプレナーであったなら?」「自分は誰で、いかなる社会課題に向き合い、どのような意志からどんな方法でそれらを克服しているのか?」 本講義は、このような疑問に答えるよう設計されており、アントレプレナーの基礎的な論理を、自らの新規事業プロジェクトを立案し、インタビューや検証を通じて深い理解に結びつけていく。 【授業計画】 1. アントレプレナーシップの基礎理論: ①アントレプレナーとは誰か? ②自らのアンドレプレナーシップ度の自己分析 2. アントレプレナーシップの社会的意義: ①アントレプレナーの果たす役割とは何か? ②社会人基礎力12項目の事前調査 3. イノベーションの類型化とベンチャービジネス: ①イノベーションをどう理解するか? ②創業と開業の違いからベンチャービジネスの起業プロセスを知る 4. マインドセット「理念設定局面(1)」:40~50年先の未来を描く ○自分の設定したテーマ・領域で、あって欲しい未来像を宿願として書き出す。「~したい」「~でありたい」を情報だしする中からみつける。 5. マインドセット「理念設定局面(2)」:40~50年先の未来を描く ○ペアインタビューを複数行う中で、自分に欠けている視点を他者より学ぶ。情報を集約、統合、構造化する中から、自らの宿願=理念をハッキリさせる。 6. スキルセット「素材抽出局面(1)」:バックキャスティングで今を分析 ○自らの宿願=理念に近づくために活用できる事実(知識、事例、理論等)を徹底的に調査。媒体、専門家、実験・観察、自分の経験より素材となる情報を収集。 7. スキルセット「素材抽出局面(2)」:バックキャスティングで今を分析 ○ペアインタビューを複数行う中で、自分に欠けている視点を他者より学ぶ。情報を集約、統合、構造化する中から、自らの置かれている現状を明確にする。 8. スキルセット「コンセプト抽出局面(1)」:2~3年後に到達できる最善の未来からやるべきことを設定 ○良い素材を活かした結果の最善の近未来を実現するため、コンセプトとグランドデザインを抽出。キーワード抽出法で、自ら行う事業コンセプトと社会全体で取り組む事業群を考える。 9. スキルセット「コンセプト抽出局面(2)」:2~3年後に到達できる最善の未来からやるべきことを設定 ○ペアインタビューを複数行う中で、自分に欠けている視点を他者より学ぶ。自ら行う事業コンセプトと社会全体で取り組む事業群を再設計。 10. スキルセット「要所解明」:成り行きを変える手の打ち所を探る ○予測された2つの未来のギャップから、最善の未来の実現を妨げている要因(成り行きに影響力を持つ現在未達成の事項)を明らかにする。やりたいことを実現するために変えなければならない制度的なことに注目し、中心商品を設定。 11. スキルセット「ビジネスモデル・キャンバス」:事業の全体像を描く ○中心商品をキーアクティビティとして設定し、キーリソース、キーパートナー、顧客、顧客の得る価値、チャネル、顧客との関係性構築、売上、経費等を設計してみる。 12. スキルセット「アイデア検証とインタビュー調査設計」:顧客の視点で事業を見直す ○アイデア検証のためのチラシ制作、インタビューの狙いと分析方法の確認、インタビュー項目の設計。 13. スキルセット「市場規模の推定」:想定する顧客の規模は? ○フェルミ推定を一例に、自身のターゲットとする市場の規模を推定する。 14. スキルセット「アイデア検証の結果分析とビジネスモデルの再設計」:PDCAサイクルを回す ○想定する顧客へインタビューした結果を分析し、ビジネスモデル、中心商品等の当初案を修正し、より現実に近づける。 15. スキルセット「収支及び資金計画の立案」:成長を支える資金計画の立案 ○アイデア検証と市場規模推定の結果を利用し、経費計画を盛り込んで収支及び資金計画を立案する。 16. 定期試験 |
テキスト・参考文献 | 【テキスト】 基本テキストとして、『未来デザイン考程』ワークシートを配布する。 【参考文献】 『1からのアントレプレナーシップ』山田幸三・江島由裕編著、碩学舎・中央経済社、2017年、2640円 『はじめて出会う経営学』内藤勲編著、中央経済社、2016年、3080円 『起業の科学 スタートアップサイエンス』田所雅之著、日経BP、2017年、2530円 |
試験・評価方法 | 定期試験(50%)、レポート(50%) 「定期試験」は、課題レポートの内容を深耕し、論理的に組み立てられたビジネスプランの作成をもって評価する。 「課題レポート」は、未来デザイン考程の各局面の課題レポートの適切性で評価する。 |
別途必要な経費 | |
その他特記事項 | 課外での課題達成状況に応じて、講義計画が変更になる可能性があります。その際は、適宜、変更案を示します。 |
科目名(英語) | |
使用言語 |